大阪高等裁判所 昭和25年(う)3199号 判決
刑事訴訟法第二百五十六条によれば起訴状には公訴事実を記載すべきこと、公訴事実は訴因を明示してこれを記載すべきこと、訴因の明示にはできる限り、日時場所及び方法を以て罪となるべき事実を特定してこれをなすべきことを規定していることは所論の通りである。ところで酒税法第六十条第一項にいわゆる免許を受けずして酒類を製造した罪についてはその方法として製造原料及製造の過程を指持すれば、おのずから出来上るべき酒類の品目は定まつているのであるから、製造の日時場所並にその原料及過程に変更なき限り、訴因変更の手続をなすことなく起訴状の品目(濁酒)と異なる酒類(雑酒)を認定することは何等の違法なく又審判の請求を受けた事件について判決せず或は審判の請求を受けない事件について判決をしたものと云うことはできない。論旨は理由がない。
(註。本件は法令違反、量刑不当により破棄自判)